しろがねの葉
新潮社 | 2022/09/29
みんなの感想
正直なところ、このタイプの作品は手に取るまで少し躊躇がありました。歴史冒険小説って自分の読む本からは遠い領域だったから。でも新潮社のベストセラーキーワードで見かけて、あらすじを何度も読み直して、やっぱり気になるから読んでみることにしました。 結果として、正解だった。銀山での労働描写が本当に生々しくて、その中でウメという少女がどう生きていくのかという話に引き込まれます。戦国末期という歴史的背景も重いけど、個人の人生という視点で見ると、すごく現代的な「生きる意味」を問い直してくる作品だと感じました。 ただ正直に言うと、中盤以降のストーリー展開は予想できない部分が多くて、そこはちょっと複雑だなと感じた。時間をかけてゆっくり読む必要があります。漫画やラノベばかり読んでた自分にとっては、けっこう濃密な読書体験でした。 新しい世界の本を試してみたい人、特に歴史小説が気になるけど一歩踏み出せない人にはおすすめできると思います。
ベストセラーってことで手に取ってみたら、想像以上に引き込まれた。戦国末期の石見銀山を舞台にした歴史冒険小説なんだけど、この作品の凄さは歴史設定を活かしながらも、そこに生きる人間の欲望や生命力を本当に生々しく描いてるところだと思う。 主人公のウメという少女が銀山で働く中で、天才山師・喜兵衛から教わる知識や技術の細部がリアルで、読んでて引き込まれる。著者がきちんと時代考証をしてるんだろうなってのが感じられる。でも単なる歴史解説に陥らず、ウメが直面する選択や葛藤が物語の中核を占めてるのが良い。 仕事が忙しくて、なかなか本腰を入れて読む時間がないエンジニアの身としては、こういう「続きが気になって一気読み」できる作品は本当にありがたい。徳川の支配強化という歴史の波の中で、彼女がどう生きていくのか──その先の展開を知りたくて、寝る時間削ってでも読み進めちゃった。 女性キャラクターの描き方も印象的。時代の制約を受けながらも、主体的に生きようとする強さが伝わってくる。大河長篇というふれこみ通りのボリュームと深さがあって、読んで損なし。
最近、書店で話題になっていたこの作品。戦国末期の石見銀山を舞台にした大河小説だということで、思わず手に取ってしまいました。 少女ウメが天才山師・喜兵衛に拾われ、銀山で働くようになる——その設定だけで惹き込まれます。著者は山に穴を穿つ営みと、ウメの成長を深く結びつけており、単なる歴史冒険小説ではなく、生きることの本質を問う作品として読めました。 特に印象的だったのは、時代の変化とともにウメが置かれる状況が刻々と変わっていく部分です。徳川の支配強化という大きな歴史の流れの中で、個人がどう生きるかというテーマが、しっかりと描かれている。女性のキャラクターがここまで力強く、官能的に表現されるのは、最近の歴史小説の中でも珍しいように感じます。 文章も美しく、銀山の風景や人間関係の描写が生き生きとしています。少し長めの作品ですが、ページをめくる手が止まりませんでした。話題作となるのも納得できます。