感想
日本を出た人たちの人生を追うドキュメンタリー的なエッセイ。1960年代以降にアメリカへ渡った「新一世」と呼ばれる日本人たちが、なぜ故郷を離れたのか、カリフォルニアで何を求めたのかを丹念に取材している。 読んでいて感じたのは、著者の視点が比較的中立的で、移住者たちを単純に美化したり批判したりしていない点だ。むしろ、彼らの選択肢を通じて当時の日本社会の息苦しさが自然と浮き彫りになる構成になっている。その点は興味深い。 ただ、個人的には「可もなく不可もない」という印象が正直なところ。インタビューや事例紹介は充実しているのだが、それらをどう解釈するかは読者に委ねられている感があって、もう少し著者の深い考察があれば、より引き込まれたかもしれない。社会学的な分析と人間ドラマのバランスが、どちらかといえば前者に傾いているような気がする。 気軽に読める本ではありますが、何か大きな発見を期待していくと、少し物足りなさが残るかな。