映画館で予告編を見かけて興味を持ったので、文庫版が出たのを機に手に取ってみました。中国の古代が舞台というのも珍しいし、豪華な俳優陣も魅力的だったものですから。 読んでみると、映画の迫力がしっかり紙の上に再現されていますね。山崎賢人扮する主人公・信の成長の軌跡が、丁寧に描かれていて引き込まれます。戦国時代の策謀や戦闘シーンの緊張感も伝わってきて、パート帰りの疲れた頭でも一気読みしてしまいました。 何より良かったのは、映画では表現しきれないキャラクターの内面がしっかり書かれていること。長澤まさみ演じる楊端和のような複雑な人物像が、文字だからこそ深く理解できる気がしました。ノベライズというと映画の焼き直しかなと思っていたのですが、これは映画と違う価値がある。 年を重ねると、こういった冒険活劇もいいものだなと改めて思います。気軽に、でもしっかり楽しめる一冊でした。
最近登録された他の本の感想
2026年06月18日
娘が勧めてくれた異世界ファンタジーの第2弾。第1弾を読んで面白かったので、迷わず手に取りました。 主人公の聖女がとにかく魅力的ですね。大人しく従うだけではなく、自分の意志を貫く姿勢がいい。我慢強いだけが美徳じゃないという姿勢が、この歳になると共感できます。昔は黙って耐えるのが当たり前だと思っていましたが、読んでいて「そうだよな、自分の気持ちを大事にするのも大切だ」と改めて感じました。 騎士とのやり取りも楽しい。距離感が絶妙で、恋愛要素も無理がなく自然に感じられます。話の展開も予想外な部分が多くて、先が気になってページをめくる手が止まりませんでした。 ただ、後半は展開が少し駆け足気味かなと感じました。もう少しゆっくり描写してくれてもよかったかな。それでも巻末の番外編は良かったですよ。 気軽に楽しめて、心もちょっと温かくなる。こういう本をのんびり読むのは、パート帰りのリラックスタイムにぴったりです。
2026年06月14日
シリーズも5巻目となると、キャラクターへの愛着もひとしおですな。今回の要之助の江戸での奮闘ぶりは、前の巻よりも一段と面白くなっていると感じました。 参勤交代で江戸へやってきた武士が、恋にやぶれてからの人間模様が実に良く描かれている。失恋で落ち込んでいるのに、周りの町の人たちとの関わりの中でだんだんと立ち直っていく様子が、こちらまで温かい気持ちになります。笑える場面も多いし、泣きそうになる場面もある。そういう緩急の付け方が上手なんですよ。 75年も生きていると、こういった人情話は本当にしみじみと響きます。むかし見た映画のようなのんびりとした江戸の町が目に浮かぶようで、読んでいて心が休まるような感覚ですね。毎回この作者の筆力に感心させられます。パート仕事から帰った夜、布団の中でゆっくり読むのにぴったりな一冊。続きも楽しみにしながら待つとしましょう。
2026年06月13日
映画にもなった「教場」シリーズの最新作。警察学校を舞台にした人間ドラマということで、手軽に読める文庫本ながら、なかなか深い内容だなと感心しました。 短編形式で、訓練生たちの様々な悩みや葛藤が丁寧に描かれています。それぞれのエピソードが独立していながらも、警察官としての適性だったり、人間としての本質だったり、そういう大事なテーマに繋がっていく構成がうまい。退職してから警察の仕事についていろいろ考える機会が増えたので、この手の話は興味深く読めますね。 特に印象的だったのは、登場人物たちが皆、何らかの弱さや課題を抱えているところです。決して完璧ではない人間たちが、それでも前に進もうとする姿勢に、素直に応援したくなりました。著者の人物描写の丁寧さが光ります。 パートの仕事の合間に気軽に読める長さながら、読み終わった後に考えさせられることもあって。こういう小説は本当にいいですね。シリーズを続けて読みたくなるような一冊です。
2026年06月09日
孫から「おじいちゃん、これ面白いよ」と勧められて手に取ったのが本書です。正直なところ、漫画のスピンオフということで、自分の年代には難しいんじゃないかと心配していたんですね。ところがどっこい、いい意味で期待を裏切られました。 成田良悟さんの手による小説化というのが良かったのか、すんなり話の世界に入っていくことができました。高校生活という懐かしい時代設定もあってか、読んでいて気分がほっこりするんです。アクションあり、ユーモアありで、テンポよく物語が進んでいくから、スキマ時間での読書に本当にちょうどいい。 何より驚いたのは、原作の良さを大切にしながらも、小説だからこそ味わえる深みがあるってことです。キャラクターたちが生き生きと動いているのが伝わってくる。これなら若い世代だけじゃなく、自分たちのような年配の読者にも十分楽しめる。 パート帰りに一章二章と読み進めるのが、最近の楽しみになっちゃいました。おすすめです。
2026年06月08日
孫のために借りてきた本でしたが、読み始めたら自分がすっかりはまってしまいました。犬のラックが家族のもとへ帰ろうとする、その一途な思いが胸に響きますね。 子どもの本かと思いきや、野良犬の世界や人間と動物の関係について、なかなか深い内容が織り込まれている。ラックがいろいろな困難に直面しながらも、家族への想いを忘れずに進もうとする姿勢、それから姉犬ダミーとの絆の話など、素朴だけれど心がほっこりする場面がたくさんあります。 年をとると、こういった素直な物語が妙に心に沁みるんでしょう。派手な冒険ではなく、小さな勇気の積み重ねが大事だっていう話が、何か大事なことを思い出させてくれる気がするんです。最後まで無心で読み進められました。仕事の休み時間に少しずつ読むのも気持ちのいい時間になりました。
2026年06月01日
孫がラノベをよく読んでいるので、どんなものか試しに手にとってみた一冊です。 銀砂糖師という砂糖菓子の職人が妖精たちを助けるというファンタジーの世界。正直なところ、設定は面白いなと思いました。砂糖菓子で妖精を治療するというのは、創作性がありますね。キャラクターも個性的で、登場人物たちの掛け合いには時々ほっこりさせられます。 ただ、全体的には可もなく不可もなくという感じでしょうか。物語の展開はテンポよく進みますが、私のような年配者には少し理解しづらい部分もありました。若い世代向けに作られた作品だなというのが率直な印象です。妖精の世界観は綺麗に描かれていますし、装丁も手に取りやすいのは良い点ですね。 ラノベの入門として、または若い読者向けとしては悪くない選択肢だと思います。ただ、深い味わいや人生経験に沿った教訓を求める方には、物足りなく感じるかもしれません。気軽に楽しむ読書として、まあまあといったところです。
2026年06月01日
孫から勧められて読んでみました。お金の使い方について改めて考えさせられる本だと思います。 著者の主張は基本的に納得できる部分が多いです。人生の各段階でお金を使うタイミングが大切だという考え方は、これまでの貯蓄重視の人生観に一つの光を当ててくれました。若いうちに経験にお金を使うべきというのは、年を重ねた今だからこそ強く感じます。 ただ正直なところ、この手の自己啓発本は若い世代向けなんだなという印象を受けました。すでに人生の後半戦にいる自分にとっては、手遅れな話題も多く含まれている。また、著者がミリオネアという限られた階級の視点から語られているため、一般的な家計管理の参考にはなりにくいと感じました。 論理的で読みやすい文章ですし、人生設計を見直すきっかけになるかもしれません。でも、年配の読者向けのアプローチや、より実践的な具体例があると良かったと思います。
2026年05月06日
文庫本コーナーで目に留まったので、軽い気持ちで読んでみました。高校生の少女たちが死について深く考えるという、なかなか重いテーマの作品ですね。 正直なところ、最後まで読み切るのに少し疲れてしまいました。少女たちの心理描写は緻密なのですが、全体的に暗くて沈んだ雰囲気が続くので、気楽に楽しむというわけにはいきません。ストーリー自体は興味深いのですが、75にもなると、こういった若い世代の絶望的な思考をずっと追い続けるのは、正直しんどいなと感じてしまいました。 ミステリーとしての仕掛けもあるようですが、そこまで到達する前に心が疲れてしまう。もう少し光の部分、希望のようなものが欲しかったですね。文学的な価値は理解できるのですが、気軽に読書を楽しみたい身としては、もう少し心に優しい作品の方が私向きかな、と思います。
2026年05月06日
孫からAIって便利らしいぞ、と聞いて興味を持ったのがこの本を手に取ったきっかけです。パートの仕事でもパソコンを使う場面が増えてきたので、何か役に立つかもと思って。 正直なところ、内容は実用的で分かりやすい部分もありました。資料作成の手間を減らせるとか、メール返信の効率化とか、確かに現場で使えそうだなという工夫がいろいろ紹介されています。ただ、私のような年配者にとっては、もう少し基本的なところから丁寧に説明してくれてもいいかなという気がします。 仕事で忙しい若い人には良い本だと思いますが、75歳のパート勤務の身からすると、ここまで詳しく知る必要があるのかどうか。仕事をもっとバリバリやりたい人向けという感じですね。技術書としては及第点ですが、私の読書の楽しみ方とはちょっと違ったかな、というのが正直な感想です。
2026年05月06日
平野啓一郎のこの新作は、なかなかに骨のある作品ですね。弁護士の城戸が依頼者の里枝から聞かされる「ある男」の話。夫だと思っていた人が、実は全くの別人だったというんですから、もう驚きですよ。 なんといっても心をつかまれるのは、人間関係の根底にある信頼がいかに脆いものかということ。二度目の結婚で幸せを感じていた矢先の大事件ですから、里枝の衝撃たるや、想像を絶します。著者は巧みに謎を解き明かしていくのですが、単なるミステリではなく、人はなぜ人を愛するのか、という根本的な問いかけになっているところが素晴らしい。 75年も生きていると、人間のいろいろな側面を見てきたつもりですが、この本はそれでも新しい角度からの問いを投げかけてくれます。決して重くなり過ぎず、読み易いのも嬉しいところ。平野啓一郎、やはり只者ではない作家だと改めて思いましたね。
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