本棚の住人の本棚
感想

映画にもなった「教場」シリーズの最新作。警察学校を舞台にした人間ドラマということで、手軽に読める文庫本ながら、なかなか深い内容だなと感心しました。 短編形式で、訓練生たちの様々な悩みや葛藤が丁寧に描かれています。それぞれのエピソードが独立していながらも、警察官としての適性だったり、人間としての本質だったり、そういう大事なテーマに繋がっていく構成がうまい。退職してから警察の仕事についていろいろ考える機会が増えたので、この手の話は興味深く読めますね。 特に印象的だったのは、登場人物たちが皆、何らかの弱さや課題を抱えているところです。決して完璧ではない人間たちが、それでも前に進もうとする姿勢に、素直に応援したくなりました。著者の人物描写の丁寧さが光ります。 パートの仕事の合間に気軽に読める長さながら、読み終わった後に考えさせられることもあって。こういう小説は本当にいいですね。シリーズを続けて読みたくなるような一冊です。