裕子の本棚
感想

累計370万部だという帯を見て、こんなに人気のある本なら安心して読めるだろうと手に取りました。正解でした。 竜崎という刑事と大物政治家をめぐる事件を描いた作品なのですが、非常によく計算された構成だと感じました。不審火から始まる事件が次々と複雑に絡み合っていく様を、著者がどう整理して読者に提示するのか、その手腕が見事です。権力者への忖度が捜査を阻む現代的なテーマも、押し付けがましくなく自然に組み込まれています。 何より竜崎というキャラクターが魅力的。我が身を顧みず真実を追い求める姿勢が、今の時代だからこそ輝いて見えます。ライバル・八島との緊迫した関係性も、話を引き締めています。 人気シリーズということでしたが、この作品から入っても十分面白く読めました。慎重に選ぶ私としては、多くの人に支持されている理由がよく分かります。最後までぐいぐいと引き込まれ、一気読みしてしまいました。今後も著者の作品を追ってみたいと思わせる、素晴らしい一冊です。

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