裕子の本棚
感想

最近、恋愛小説といっても様々な形があるものだなと改めて考えさせられました。この本は複数の短編を収めた作品ですが、どれもが「恋とは何か」という根本的な問いかけを優しく突きつけてくるようです。 74歳になると、人間関係の複雑さについてもそれなりに見えてくるようになります。三角関係や同性愛、片想いといった様々な恋のかたちが、決して特殊なものではなく、ごく当たり前に存在していることに気づきます。著者がおっしゃる「ただひとつの特別な光」という表現が、とても素敵だと感じました。 文庫本という手軽さも良く、一編ずつ読み進められるのが、仕事帰りの疲れた時間にもちょうどいい分量です。ただし、心理描写が細かく込み入っているため、一度読むだけでなく、時間をおいて再び手に取りたくなるような深さがあります。 これからの人生で、人間関係について思い悩むことがあれば、そっとこの本を開いてみようと思います。

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