裕子の本棚
モノガタリは終わらない

モノガタリは終わらない

モノガタリプロジェクト 集英社 2026年2月20日

感想

最初、このタイトルを見たときは正直ピンときませんでした。でも、書籍の説明を何度か読み返してみると、「捨てられないモノ」というテーマがしっくりきて、思わず手に取ってしまいました。 開いてみると、伊坂幸太郎さんや吉本ばななさんなど、錚々たる作家さんたちが揃っていて驚きました。それぞれの視点から「モノとの関係」を描いた短編ばかり。着古した服、懐かしい文房具、子どもの頃のグッズ……どれもが自分の人生と重なるようなお話ばかりです。 特に心がとまるのは、若い頃の思い出や人とのつながりが、モノを通じてほんわかと蘇る描き方。読み終わると、自分の身の回りにある「何気なく置いてあるモノ」が、実は大切な記憶の入れ物だったんだな、と改めて気づかされます。 短編だから無理なく読め、文庫本なので気軽に持ち歩けるのも良いですね。ときに寂しさも感じますが、全体としては温かみのある一冊です。もう一度読み返したくなりました。