分水

分水

今野 敏

出版社:新潮社 出版年月日:2026/01/15

新潮社 | 2026/01/15

4.00
本棚登録:3人

みんなの感想

感想

累計370万部だという帯を見て、こんなに人気のある本なら安心して読めるだろうと手に取りました。正解でした。 竜崎という刑事と大物政治家をめぐる事件を描いた作品なのですが、非常によく計算された構成だと感じました。不審火から始まる事件が次々と複雑に絡み合っていく様を、著者がどう整理して読者に提示するのか、その手腕が見事です。権力者への忖度が捜査を阻む現代的なテーマも、押し付けがましくなく自然に組み込まれています。 何より竜崎というキャラクターが魅力的。我が身を顧みず真実を追い求める姿勢が、今の時代だからこそ輝いて見えます。ライバル・八島との緊迫した関係性も、話を引き締めています。 人気シリーズということでしたが、この作品から入っても十分面白く読めました。慎重に選ぶ私としては、多くの人に支持されている理由がよく分かります。最後までぐいぐいと引き込まれ、一気読みしてしまいました。今後も著者の作品を追ってみたいと思わせる、素晴らしい一冊です。

感想

人気シリーズの最新作ということで、思わず手に取ってしまいました。権力者絡みの事件、ユーチューバーの登場など、現代的なテーマが盛り込まれているところは興味深いです。 ただ、正直なところ、予想の範囲内でおさまっているというか、これまでのシリーズとの目新しさをあまり感じられませんでした。竜崎が難事件に立ち向かうパターンは相変わらず面白いのですが、パズルを解くような快感というより、義務的に読み進めている感じが。忖度される捜査という社会的な問題設定も、もう少し深掘りされていたら良かったなと思います。 公務員生活で疲れた時のライトな息抜き読書としては悪くない一冊ですが、「これは面白い!」と誰かに勧めたくなるほどの熱量はありません。シリーズのファンなら読んで損はないと思いますが、特に大きな期待は持たない方が良さそうです。

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