ドミノ

ドミノ

恩田 陸 / sengajin

出版社:KADOKAWA 出版年月日:2004/01/24

KADOKAWA | 2004/01/24

4.25
本棚登録:5人

みんなの感想

感想

図書館で見かけて、タイトルの「ドミノ」という言葉に惹かれて借りてみました。一見関係のない登場人物たちが、ちょっとした出来事を通じてつながっていくというストーリー設定は、確かに興味深いものです。 ただ、読み進めていくと、複数の視点が行き来して、少し話の流れを追いにくいなと感じました。生保会社の契約、子役の事件、大学生の推理など、いろいろなエピソードが絡み合うのですが、それぞれがどのように深く関係しているのか、最後までもう一つはっきりしない印象です。 文庫本ということで気軽に読めるのは良いのですが、もう少し各登場人物の背景や心情がじっくり描かれていれば、より引き込まれたのではないかなと思います。普通の人間ドラマを期待していた自分には、やや物足りなさが残りました。悪い本ではありませんが、わざわざ誰かに勧めるほどでもない、という感じです。

感想

東野圭吾の作品は管理職という立場上、人間関係の複雑さを描いたものに惹かれるのですが、本作『ドミノ』はまさにそうした期待を見事に満たしてくれました。 一見無関係に思える複数の人物たちが、東京駅というありふれた場所で交わることで、予想外の事態が連鎖していく。その緻密な構成には、業務管理の経験がある私も思わず唸ってしまいました。どの登場人物の視点も等しく重要で、どの視線からも物語が成立してしまう。それは、組織内の様々な立場の人間が同じ出来事を異なる角度から認識するという、現実そのもの。 短編集のような体裁ながら、最後には全てが一つの意味を持つまでに収束していく快感。途中で「これはどう繋がるのか」と何度も疑いながら読む自分がいましたが、その疑問が全て報われるカタルシスは本当に素晴らしい。 慎重に本を選ぶ私だからこそ申し上げますが、迷わずお勧めできる傑作です。人生経験を積んだ大人だからこそ味わえる、深い満足感があります。

感想

連鎖的に繋がる複数の事件と人物を巧みに構成した傑作だと思います。東野圭吾の代表作らしく、一見無関係に見える登場人物たちの行動が、最終的にはドミノ倒しのように繋がっていく構成の妙に引き込まれました。 エンジニアとして複雑なシステムに向き合う身としては、この物語の因果関係の組み立てに特に感心しました。一つひとつの事件が独立しているようで実は全て繋がっているという設定は、デバッグやシステム設計の論理的思考と通じるものがあります。 ただ、物語の後半に向かうにつれ、登場人物の行動や心情の細部についてやや強引に感じる部分もありました。それでも全体的な構成の完成度、そして各エピソードの質の高さは十分に評価できます。 短編的な複数の物語として楽しむこともできますし、全体像を把握した上で再読する価値も感じています。推理小説好きはもちろん、因果関係のある物語構成を楽しみたい人なら、慎重に選ぶ私でも自信を持ってお勧めできる一冊です。

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