はるとの本棚
感想

映画化作品ということで、まずは原作がどんなものなのか確認しておこうと思って手に取りました。警察学校を舞台にした連作短編という構成は、各話で異なる生徒の背景や葛藤にスポットを当てられる効率的な仕掛けだと感じます。 教官・風間公親のキャラクターが秀逸で、厳しさの中に一貫した教育哲学を持つ人物として説得力があります。生徒たちも単なる「訓練される側」ではなく、それぞれ異なるバックグラウンドを持ち、挫折や葛藤を抱える立体的なキャラクターに仕上がっていて、読んでいて引き込まれました。 ただ、各話の長さがコンパクトだからか、キャラクターの成長過程が若干駆け足に感じる場面もあります。もう少し掘り下げてもらいたかった話も正直あります。それでも、警察学校という特殊な環境を舞台にした人間ドラマとしての完成度は高く、エンジニアの立場から見ても、システムの中で個が試される過程を描くその手法は興味深いものでした。映画も気になりますが、原作の質としても十分な仕上がりだと思います。

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