はるとの本棚
大家さんと僕

大家さんと僕

矢部 太郎 新潮社 2017年10月31日

感想

仕事で疲れた時の癒しが欲しくて手に取った作品ですが、期待以上の温かさに包まれました。芸人の著者と個性的な大家さんの日常を描いたこの漫画は、本当に起きた出来事とは思えないほど自然で、でも確かにそこにある人間関係の良さが伝わってきます。 エンジニアとしてロジカルに物事を考える癖がついている僕にとって、この作品は良い意味で「理屈抜き」の温もりを提供してくれました。大家さんのマッカーサー元帥への執着や、渋い言動の数々は一見するとナンセンスですが、それが積み重なることで本当の愛情が見える。そういう細部への丁寧さが漫画という表現形式で活きているんだと感じます。 特に素晴らしいのは、単なる日常の面白さだけに留まらず、人生の大切なテーマまで自然に織り込まれている点です。読んでいて笑顔になったり、ジンとくる場面があったり。完成度の高い物語としても、人間関係を描いた作品としても秀逸です。 こういった心が満たされる良作は、多くの人に読んでもらいたいですね。疲れた時の処方箋として、間違いなくお勧めできます。