はるとの本棚
感想

ベルリンの刑事弁護士を主人公とした連作短編という構成に、初めは大いに期待して手に取りました。編集部の推薦文も熱く、ミステリとしての完成度が高いと謳われていたからです。 実際に読み進めてみると、各事件の謎解きの仕掛けはきちんと作られており、読み応えがあります。法廷ものとしての説得力も感じられました。ただ、正直なところ、「完璧」という高い評価ほどの興奮には至りませんでした。 むしろ、短編ごとに設定やトーンがやや一貫性を欠く印象を受け、連作としての一体感がもう一段階欲しかった気がします。個々の事件解決のプロセスは丁寧なのですが、弁護士という主人公の人物描写の深さが足りず、なぜ彼がこれらの事件に執着するのかという核の部分がぼやけているような感覚も残りました。 ミステリ好きには十分価値のある一冊だと思いますが、期待値を上げすぎず読むことをお勧めします。堅実な作品です。

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