孫が勧めてくれたので読んでみました。YouTube大学でも話題らしいですね。 確かに、お金に対する考え方の基本が分かりやすくまとめられた本だと思います。資産と負債の違い、働き方の選択肢など、若い頃に知っていれば役に立ったなと感じる内容も多くあります。特に金銭教育の重要性については、現在の日本でも必要な視点だと感じました。 ただ、80年も生きていると、本書の主張が全て新しいとは言えません。アメリカの事例が中心で、日本の実情とは異なる部分も目につきます。また、改訂版とはいえ、初版が出てから随分と時間が経ち、金融情勢も大きく変わっています。 良い入門書ではありますが、人生の折り返しを大きく越えた身としては、新しい視点というより「ああ、やはりそうか」という確認の感覚が強いです。お金についてまだ真摯に考えていない若い世代には、ぜひ読んでもらいたい一冊ですね。
最近登録された他の本の感想
2026年06月07日
朝井リョウの『正欲』から3年半ぶりとのことで、早速手に取ってみました。話題になっている本は、やはりチェックしておかねばと思いまして。 正直申し上げて、この作品はなかなかに挑戦的です。家電メーカーの総務部勤務という一見地味な主人公を通じて、人間の本質というものを問いかけてくる。「寿命を効率よく消費する」というフレーズが印象的で、そこには現代人の生き方に対する深い問題提起があるのでしょう。 80を過ぎた身としては、若い頃とは違う視点で人生というものを考えさせられました。朝井リョウの筆致は相変わらず鮮烈で、日常の風景の中に隠された人間の複雑さを浮き彫りにしていく。新聞のベストセラー欄でも名前が上がっていましたが、納得のいく評価だと感じます。 時代の空気を敏感に捉えた傑作。定年後、時間に余裕ができた今だからこそ、じっくり味わえる一冊です。
2026年06月06日
このごろ話題の本だというので手に取ってみました。映画化もされたというこの作品、実に深い内容だと感じます。 医学部に進むほど優秀だった姉妹が統合失調症に直面するという、あまり表に出ない家族の葛藤が描かれています。医師である両親の判断、そしてその対応に対する疑問。弟である著者がカメラを向け続けた20年という長い歳月の中で何が起こったのか。 八十路の身としても、親の世代が直面する医療と家族の問題は他人事ではありません。本人も家族も、どうすればよかったのか、その問いかけの前に立たされるような重さがあります。映画に入れられなかったという家族の事実も含め、著者が勇気を持って記した言葉一つ一つが胸に響きます。 現代社会の中で、精神疾患とどう向き合うべきか。多くの人に読んでもらいたい、そして考えてほしい作品です。人生経験の長さが少しは役に立つかもしれない、そんな気持ちで読み終えました。
2026年06月06日
孫が「今流行ってる漫画だよ」と勧めてくれたので、思い切って手にしてみました。正直なところ、この年で漫画を読むのは少し照れくさかったのですが、読み始めたら一気に引き込まれてしまいました。 第5巻では、これまで積み重ねられてきたストーリーが見事に花開く瞬間が描かれています。キャラクターたちの心情表現が実に丁寧で、絵と台詞が一体となって物語を深く伝えてくるんですね。人生経験が長い分、登場人物たちの葛藤や選択の重みがひしひしと伝わってきます。 何より素晴らしいのは、この物語が「夢と現実」という普遍的なテーマを扱っていながら、決して説教くさくないという点です。読んでいて、自分自身の人生を重ね合わせる場面も何度もありました。定年を迎えた今だからこそ、心に響く表現が随所にあります。 話題の作品というのは伊達ではないと実感しました。年齢を問わず、多くの人の心を動かす理由がよく分かります。
2026年06月01日
最近、書店で話題になっている本をついつい手に取ってしまう癖がありますが、この第11巻も期待通りの出来栄えでした。 池田大作先生の著作とあって、人生哲学や信仰に関する深い思考が随所に散りばめられています。定年を迎えた身としては、これからの人生をいかに充実させるか、どう社会に貢献するかという問いに直面しているのですが、本書を読むと自分の在り方について考えさせられます。 文庫というコンパクトなサイズで、手軽に読み進められるのも年配の読者にはありがたい。登場人物たちが人生の様々な困難に向き合い、乗り越えていく姿は、長く生きてきた我々にも共感できる部分が多い。特に人間関係の構築や逆境への向き合い方については、人生経験の重みが感じられます。 シリーズを重ねるごとに物語の深度が増しているように感じられます。全巻を通して読み続ける価値は十分にあると、改めて確認できました。同年代の方々にもぜひお勧めしたい一冊です。
2026年06月01日
この本、新聞の書評欄で何度も目にしたものですから、一度は読んでみようと思っていました。本屋大賞受賞作というのも気になりましたし、何より成瀬あかりという主人公の名前からして、ただごとではない話が展開しそうだと直感したんです。 読み始めてみると、その直感は正しかった。閉店を控えた百貨店に通い詰める少女、お笑いコンビでM-1グランプリを目指す野心、坊主頭での高校入学式と、次々と繰り出される奇想天外な行動の数々。ありきたりな「青春小説」の枠組みを大きく超えた、爽快感に満ちた物語です。 成瀬のひたむきさと破天荒さが一体となった姿に、読んでいて思わず引き込まれてしまいました。私の時代にはこんな少女はいなかったな、と思いながらも、時代を超えた青春の本質が描かれているのが素晴らしい。二百歳まで生きるという目標も、荒唐無稽でありながら、どこか心がときめく夢の話なのです。 話題作という評判に違わぬ、読む価値のある一冊でした。
2026年06月01日
最近の話題作だと聞いて手に取ってみました。こういう逆転劇のファンタジーは、若い頃は読まなかったジャンルですが、今になって新鮮な面白さを感じますね。 神官の少女が不遇な状況から這い上がる姿が丁寧に描かれていて、つい応援したくなります。王子様との関係の進み方も、べたべたしすぎず程よい距離感で、読んでいて心地よい。この年になると、ファンタジーだからこそリアルでは味わえない幸福感を素直に受け取れるのかもしれません。 書き下ろし番外編が2本収録されているのも嬉しい配慮。本編で満足して、さらにこうした追加エピソードがあると、倍の満足感が得られます。コミカライズも予定されているそうで、それもなかなか興味深い。 文庫サイズで読みやすく、適度な長さも退職者にはちょうどいい。今どきこういう作品が支持を集める理由がわかる気がします。楽しい時間をくれた一冊でした。
2026年05月06日
太宰治賞を受賞した話題作ということで、手に取ってみました。オーストラリアの田舎町を舞台に、異なる境遇の二人の女性が出会い、関係を深めていく物語です。 サリマはアフリカからの難民、ハリネズミは自分の夢を後回しにして渡豪した日本人女性。一見すると全く異なる人生を歩んできた彼女たちが、職業訓練学校で英語学習を通じて繋がっていく過程が丹念に描かれています。 何しろこの年になると、人生の選択肢の重さというものが身に染みてわかります。夫について異国へ渡った女性、子どもを育てるため懸命に働く難民女性——それぞれが人知れず抱えているものの大きさに、じっと考えさせられました。 著者の視線は温かく、決して説教的ではありません。むしろ二人の小さな日常の会話や思考の中に、人間らしさが息づいているのが良い。話題作とはいえ、きちんと文学として完成した一冊だと思います。定年後、人生の後半戦に入った世代の方にも強くお勧めしたい作品です。
2026年05月06日
最近話題だというので手に取ってみました。宇宙飛行士が人類を救うというお話ですね。 正直なところ、科学的な説明がたくさん出てきて、私のような年寄りにはついていくのが大変でした。でも著者の想像力というか、こういう状況ならどうするか、という考え方は面白いと思いました。一人の男性がたった一人で宇宙でのミッションに挑むというのは、読んでいてハラハラします。 ただ、上巻を読み終わった今のところ、物語がどこへ向かうのかもまだはっきり見えず、人物描写も深いとは言えないような気がします。娯楽としての宇宙冒険小説として読めば、まあまあ楽しめるかもしれませんが、私が好きな人間ドラマや心情描写を期待していた分、少し期待外れでした。 下巻も読むべきか迷っているところです。もう少し、主人公の心の動きを知りたい気もします。
2026年05月06日
孫から「いま話題らしいよ」と勧められて手にした一冊です。正直なところ、こういった現代的なミステリーがどうなのかと懐疑的でしたが、読み始めたら思わず引き込まれてしまいました。 探偵の天草茅夢という人物が実に魅力的で、容姿も頭脳も料理の腕も優れているというのは、いかにも今どきの話ですが、それが自然に描かれているのが良い。各章の事件の謎解きも適度な難易度で、退職後の私でも十分に楽しめます。 何より気に入ったのは、このミステリーの随所に忍ばせられた「推し活」という現代的なテーマと、手作り料理という温かみが共存しているところです。八十歳の身としては、若い世代がこんなことを考えながら日々を過ごしているのかと、少し世間が見えた気もします。 文庫本という形式も読みやすく、一気に読み進められました。続編があるというのも嬉しい。世間で話題になっているのも納得できる、実に良くできた作品だと思います。
2026年05月06日
最近の流行りものをと思って手に取った一冊です。この類のファンタジー小説は、昨今の若者向けとでも申しましょうか、なろう系と呼ばれる作品から書籍化されたものですね。 読んでみると、次女が主人公という珍しい設定で、姉妹間のいざこざを避けながら自分の道を切り開こうとする姿勢は悪くない。冒険者ギルドで働きながら家を出るための資金を貯めるという現実的な目標も親近感が持てます。昔の小説とは違う、若い世代の価値観がよく表れているのだと感じました。 ただ申し上げると、お話としては目新しさにやや欠けるというのが正直な感想です。王子たちが主人公に好意を寄せるくだりも、ありがちな展開と言えばそれまで。加筆されたとのことですが、もう少し深みがあってもよろしかったのではないかと。 まあ、退屈しのぎにはなりました。話題の作品を確認しておくという意味では読む価値はあるでしょう。若い読者向けとしては楽しい作品かもしれませんね。
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