一郎の本棚
感想

新社会人になって、少し落ち着きが出てきたので、話題作をいくつか読むようにしています。この作品もSNSで評判を目にして、慎重に時間をかけて読みました。 まず、家族の秘密と連続放火事件、謎のグラフィティアートといった複数の要素が絡み合う設定は魅力的です。物語が進むにつれて、これらの断片がどう繋がっていくのか、その牽引力は確かにあります。遺伝子というテーマも独特で、新鮮な視点を感じました。 ただ、読み終わった後の印象が思ったより淡いというか、深い感動まで至らなかったのが正直なところです。謎解きの部分は技巧的なのですが、そこに至るまでの過程や、登場人物との情感的な繋がりが、もう少し欲しかった気がします。構成も複雑で、途中から細部を追うのに集中力が必要でした。 悪い本では決してないのですが、評判ほどの衝撃を受けなかったというのが率直な感想です。人によっては大いに楽しめる作品だと思うので、興味がある方は試してみる価値はあると思います。

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