和子の本棚
感想

2023年の本屋大賞ノミネート作ということで、手に取ってみました。青山美智子さんの作品は『木曜日にはココアを』で心が温まる経験をしていたので、期待して読み進めました。 複数の登場人物の人生が一つのポッドキャストを通じて繋がっていく構成は、確かに工夫されていて面白い試みだと思います。それぞれのキャラクターも丁寧に描かれており、仕事や人間関係で迷いながら生きる大人たちの姿に、自分の日常と重なる部分も感じました。 ただ、全体的な印象としては「いい話だな」で止まってしまった感じです。ラスト付近の仕掛けも、事前情報で期待値が上がっていたせいか、想定の範囲内に収まってしまいました。それぞれのエピソードは素敵なのですが、それらが繋がったときの感動が、自分の中ではもう一歩足りなかった気がしています。 仕事で疲れた時の読み物として、優しく読める小説を探している方には向いていると思います。ただ、強く心を揺さぶられる何かを求めている読者には、物足りないかもしれません。

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