和子の本棚
元気でいてよ、R2-D2。

元気でいてよ、R2-D2。

北村薫 集英社 2012年8月21日

感想

最近、SNSで話題になっていたこの作品をようやく手に取りました。普通の日常が、ちょっとした言葉で揺らいでいく瞬間を描いた短編集だということで、思わず引き込まれました。 仕事をしていると、人間関係のもやもやってありますよね。そういう感情を見つめ直させてくれるのが、この本の魅力だと思います。特に「マスカット・グリーン」では、夫と後輩女性の噂を聞いた妻の心の揺れ方が、本当にリアルで……思わず自分の経験と重ねてしまいました。 どの短編も女性目線で描かれているせいか、世代を問わず共感できる部分が多いです。笑顔の裏にある本当の気持ちとか、言葉にならない複雑な感情とか。そういったものが丁寧に綴られている。会社でのストレスが溜まっているときに読むと、自分だけじゃないんだな、という安心感が得られます。 読みやすいエッセイのような語り口なのに、心に残る言葉が随所にあって、何度も立ち止まって考えさせられました。話題作で良かった。同年代の友人にも勧めたいと思っています。