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池井戸 潤 ダイヤモンド社 2026年5月14日

感想

池井戸潤の新作ということで、つい手にとってしまいました。M&Aというビジネスの舞台設定は、自営業をやっている身としては興味深いところです。 ただ、正直なところ、期待していたほどの興奮には至りませんでしたね。登場人物たちの思惑が複雑に絡み合い、裏切りや陰謀が次々と起こるという設定自体は悪くないのですが、どうも話が散漫な印象を受けてしまいました。ビジネス小説としての説得力という点でも、もう一歩足りない感じがします。 著者の得意な人間関係の機微を描く部分は相変わらず秀逸なのですが、この作品ではそれがストーリーの重厚さと必ずしも噛み合っていないように感じました。読み終わった後、「そこそこ面白かったな」という程度の満足感で、心に残るような余韻がありませんでした。 気軽に読む分には悪くない作品ですが、池井戸潤の他の作品と比べると、やはり見劣りしてしまいます。時間に余裕があるときの一冊として、といったところでしょうか。