白ゆき姫殺人事件

白ゆき姫殺人事件

湊 かなえ

出版社:集英社 出版年月日:2014/02/01

集英社 | 2014/02/01

4.50
本棚登録:3人

みんなの感想

話題になった作品だから手にとってみたが、これは期待値を大きく超えた傑作だ。化粧品会社での美人社員殺人事件という設定は一見ありふれているが、真犯人を巡るミステリーの仕掛けが秀逸である。 何より印象的なのは、ネットの憶測と週刊誌報道がどのように無実の人物を追い詰めていくか、その恐ろしさをリアルに描いている点だ。現代社会で実際に起きうる状況として、他人事とは思えない緊迫感がある。複数の視点から真実に迫っていく構成も巧みで、一気読みさせられた。 登場人物たちがそれぞれ何らかの秘密や思惑を抱えており、その層の厚さが物語に深みを与えている。正義とは何か、真実とは何かという根本的な問いを投げかけながらも、エンターテインメントとしての完成度も高い。 58年の人生で数多くの小説を読んできたが、この作品の持つ現代性と完成度の高さは本当に素晴らしい。映画化されるのも納得だ。同年代の方にも、若い世代にも強くお薦めしたい一冊である。