本男の本棚
感想

御子柴礼司シリーズの第6弾というので迷わず手に取りました。今回も期待を裏切らない面白さですね。 高級介護施設での大量殺人事件という、現代的で深刻なテーマを扱いながらも、主人公の悪徳弁護士・御子柴のキャラクターが立っているおかげで、ぐいぐい引き込まれます。酌量の余地のない被疑者の弁護を引き受けるという、一見すると矛盾した設定ですが、この男の胸に秘めた企みがどう展開していくのか、最後まで目が離せませんでした。 文庫本のコンパクトなサイズながら、登場人物の心理描写が丁寧で、単なるミステリーではなく人間ドラマとしても深い。正義と悪、法と倫理といった複雑なテーマが織り込まれているのに、読み始めたら止まりません。自営業で忙しい身ですが、寝る時間を削ってでも続きが気になってしまいました。ドラマ化されているというのも納得です。気軽に読める娯楽小説としても、考えさせられるエッセンスとしても秀逸な一冊。シリーズをまとめて揃えたくなりますね。