雄一の本棚
友達にしては距離バグすぎる

友達にしては距離バグすぎる

伊達きよ スターツ出版 2026年2月20日

感想

仕事帰りの電車の中で一気読みしてしまいました。BL作品というジャンルに対しては正直、年甲斐もなく敬遠していた部分があったのですが、このタイトルの独特な言い回しに興味をひかれて手に取ってみたのです。 読み始めて驚いたのは、その面白さの純粋さです。ゲーム好きな少年たちの出会いから始まる物語なのですが、オタク文化への向き合い方が実に丁寧で、設定の説得力があります。見た目と内面のギャップという古典的なモチーフながら、それが新鮮に感じられるのは、キャラクターたちの心情描写の細やかさにあるのだと思います。 特に良かったのは、「距離感がバグる」というタイトルが示唆する、二人の関係性の変化を丁寧に追っていく構成です。どこからが友情で、どこからが恋愛か、その曖昧な領域を揺らぎながら歩んでいく様子が、きちんと人間関係として成立している。決して押し付けがましくなく、自然な流れで物語が進んでいきます。 人生経験の豊かな世代だからこそ見える、若い世代の感情の繊細さと誠実さに触れることができました。年代を問わず楽しめる良作だと思います。

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