雄一の本棚
大河の一滴 最終章

大河の一滴 最終章

五木 寛之 幻冬舎 2026年2月12日

感想

五木寛之の著作は若い頃から折に触れて手に取ってきた。三十年前の『大河の一滴』も読んだはずだが、当時の自分にはまだ理解しきれない部分も多かったように思う。だからこそ、人生経験を重ねた今、その最終章を読む機会を得たことは実に有難いことだと感じている。 本書を読んで驚かされたのは、九十三歳の著者の思考の冴え渡り、そして人間を見つめる視線の温かさである。長年の人生経験の中で培われた洞察が、決して説教的にならず、むしろ静かな確信を持って綴られている。老いることへの向き合い方、人間関係、そして生と死についての問い。これらは決して新しいテーマではないが、この年代だからこそ届く重みがある。 五木文学の集大成というだけでなく、同じ人生の後半戦を歩む者として、多くの共感と励ましを得られた。急がず、焦らず、一頁一頁を味わいながら読むことをお勧めしたい。人生について改めて考え直すきっかけになるはずだ。

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