新装版 夜中の薔薇
講談社 | 2016/02/13
みんなの感想
著者の突然の訃報を知ったのは、テレビのニュースだったと記憶しています。その直後、「最後のエッセイ集」という言葉に惹かれて、このあたらしい新装版を手に取ってみました。 日常のなかで見落としがちな小さなことへの向き合い方が、これほど丁寧に、そして温かく描かれている作品は珍しいと思います。手袋を探すというささやかな出来事から始まる物語たちは、一見ちょっとした話のようですが、読み進めるうちに、人生全体を見つめ直させてくれるような深さを感じました。 新装版は文字が大きく、活字が得意でない日にも無理なく読み進められるのが嬉しい工夫です。カバーの絵も柔らかく優しい雰囲気で、手元に置いておきたくなるデザイン。著者の優しい眼差しが隅々まで行き届いたエッセイ集だからこそ、装丁もそれに相応しいものになっているのだと思います。 主婦として生活していると、日々の細かなことに疲れてしまう瞬間があります。そんなときに、この本を開くと、心がふわりと軽くなる。著者と一緒に、ありふれた人生のなかに美しさを探す時間は、何物にも代え難い贈り物です。
新装版『夜中の薔薇』を手に取ったのは、著者が急逝した後も多くの読者に愛され続けているという噂を聞いたからです。半ば恐る恐るページをめくりましたが、その優しさと力強さに引き込まれてしまいました。 手袋の話から始まるエッセイ集ですが、これは単なる身の回りの出来事を綴ったものではありません。著者は、日常の細部に潜む人間の本質を見つめ、それを素直な言葉で表現しています。54年間の人生経験を積んだ私だからこそ、その叙述の奥行きがよく理解できるのだと思います。 何度も立ち止まって同じ段落を読み直してしまいました。それは著者の「凛として自己主張を貫いた」人生姿勢が、どこか自分自身の歩みとも重なって感じられたからです。また、ありふれた人生への眼差しの優しさには、思わず胸が熱くなりました。 新装版は文字が大きく、装丁も品良くまとめられています。丁寧に作られた本だという印象です。著者最後のエッセイ集だからこそ、今このタイミングで出会えた喜びをかみしめながら読み進めました。多くの人に読まれるべき一冊だと確信しています。
新装版が出ると聞いて、すぐに手に取りました。以前から気になっていた著者のエッセイ集です。 読んでみると、本当に素敵な一冊でした。著者の人生観が随所に光っており、一つ一つのお話が心にしみ入ります。手袋を探し続けるというテーマから始まるこのエッセイ集は、人生で本当に大切なものについて考えさせてくれます。 何より嬉しいのは、文字が大きく読みやすくなったこと。この年代になると、本を読む際に文字の大きさは本当に大事なんです。新装版のカバーも品があり、飾っておくだけで気持ちが良くなります。 著者の突然のご逝去の後も、この本を通じて著者の温かく凛とした視線が感じられます。ありふれた日常の中にある美しさや優しさを見つめる著者の眼差しが、こんなに時を経ても読者の心を掴んで離さないというのは、本当に素晴らしいことだと思います。 パート帰りのほっと一息つく時間に何度も読み返しています。お友達にも勧めたくなる、本当に良い一冊です。
久しぶりに良いエッセイ集に出会った。この本は、著者が人生の中で拾い上げた、ささいだけれど誰もが心に秘めている思いを、これ以上ないほど丁寧に言葉にしている。 「手袋をさがす」という冒頭のエッセイから引き込まれた。22歳の冬、気に入った手袋が見つからないばかりに風邪をひくまで諦めなかった若き日の著者。その話から何十年も経った今でも、彼女は「何かを探している」という。その何かが何であるのか、読み進めるうちに理解できるようになる。 仕事をしていると、人間関係の複雑さや社会的な圧力に押しつぶされそうになることがある。だが、このエッセイ集を読んでいると、著者の優しい眼差しに包まれているような感覚に陥る。一人ひとりの「ありふれた人生」に向けられた深い洞察と共感が、ページの隅々に満ちている。 新装版は文字が大きく、読みやすくなっているのも嬉しい。年を重ねた身には助かる配慮だ。著者が突然この世を去った後も、その言葉たちが読者の心に生き続ける理由が、この本を読めばよくわかる。
新装版ということで手に取ってみました。エッセイ集として期待していたのですが、読み終わってみると少し物足りない印象が残りました。 著者の凛とした生き方や人生哲学が随所に感じられるのは確かです。特に「手袋をさがす」の冒頭で示される、何かを求め続ける姿勢というのは、39歳になった自分にも響くところがあります。人生を深く考察する視点は素敵だと思いました。 ただ、全体的にはエッセイの密度がまばらに感じられて、もう少し濃密な内容を期待していた分、少し物足りなさが残ってしまいました。新装版という名目で、文字が大きく読みやすくなっているのは、このくらいのボリュームだからこそ活きるのかもしれません。 著者最後のエッセイ集という背景があるからこそ価値がある一冊だと思います。突然の死の後も愛され続けるというのは、よほど人の心を掴む何かがあるということなんでしょう。ただ単体の作品としてみると、慎重に選ぶ私としては、もう一度何か別の著作を読んでから評価を改めたいところです。
仕事が忙しい日々の中で、ふと手に取った一冊です。新装版ということで、カバーも綺麗だし読みやすいということだったので、軽い気持ちで読み始めたのですが、本当に良かった。 著者の率直で優しい眼差しが、ページを重ねるごとに心に沁みてきます。「手袋をさがす」というエッセイから始まるのですが、こんな日常の小さなこだわりや、それに秘められた人生の営みについて、こんなに丁寧に描写できるものなのかと感動しました。 公務員という仕事をしていると、どうしても効率性や一般化された価値観に支配されやすいのですが、このエッセイ集を読んでいると「ありふれた人生って本当に大切だな」と改めて思わされます。ページをめくるたびに、周りの人たちの人生にもっと寄り添いたくなるような感覚。 突然の死の後も読者を魅了し続けるというのも納得です。新装版は本当に読みやすいので、気軽に手に取れるのが嬉しい。仕事の合間に少しずつ読んでも、一気読みしても、どちらの楽しみ方もできる、そんな良書だと思います。