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新装版 夜中の薔薇

新装版 夜中の薔薇

向田 邦子 講談社 2016年2月13日

感想

新装版ということで手に取ってみました。エッセイ集として期待していたのですが、読み終わってみると少し物足りない印象が残りました。 著者の凛とした生き方や人生哲学が随所に感じられるのは確かです。特に「手袋をさがす」の冒頭で示される、何かを求め続ける姿勢というのは、39歳になった自分にも響くところがあります。人生を深く考察する視点は素敵だと思いました。 ただ、全体的にはエッセイの密度がまばらに感じられて、もう少し濃密な内容を期待していた分、少し物足りなさが残ってしまいました。新装版という名目で、文字が大きく読みやすくなっているのは、このくらいのボリュームだからこそ活きるのかもしれません。 著者最後のエッセイ集という背景があるからこそ価値がある一冊だと思います。突然の死の後も愛され続けるというのは、よほど人の心を掴む何かがあるということなんでしょう。ただ単体の作品としてみると、慎重に選ぶ私としては、もう一度何か別の著作を読んでから評価を改めたいところです。

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