のんちゃんの本棚
新装版 夜中の薔薇

新装版 夜中の薔薇

向田 邦子 講談社 2016年2月13日

感想

仕事で疲れた夜、手元に置きたくなるような一冊に出会いました。新装版『夜中の薔薇』です。 大きな文字と美しいカバーに惹かれて手に取ったのですが、中身はもっと素敵でした。著者のエッセイは、ありふれた日常のなかに隠れている小さな真実を、さらりと言葉にしてくれます。気に入った手袋が見つからないというような些細な出来事から始まる話が、いつの間にか人生について深く考えさせられてしまう。そんな魔力があります。 自分らしさを貫いてきた人生の話だと聞いていましたが、読んでみると決して堅苦しくない。むしろ、優しくて温かみのある視点で人々を見つめる姿勢が心に沁みます。41歳の今だからこそ、年を重ねることの意味や、自分たちが何を大切にしているのかが、より身近に感じられました。 著者は既にこの世にいないそうですが、こうして本を通じて対話できるのは、読書の醍醐味だと改めて実感します。忙しい日常のなか、ほっと一息つきたいときに、また手に取りたい。そんな本です。

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