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諸星大二郎自選短篇集 幻

諸星大二郎自選短篇集 幻

諸星 大二郎 筑摩書房 2026年5月11日

感想

諸星大二郎の作品は、ずっと気になっていたんです。今どきのマンガ家たちと違う、どこか古風で妖しい雰囲気を持つ人だという話は聞いていましたが、この自選短篇集を手に取ってようやく納得できました。 収録されている15篇は、どれもこれも異次元への入り口のような作品ばかり。日常の何気ない情景が、ふいに別の世界へ繋がっていく感覚。80年も生きてきた者にとっても、これほど新鮮で、それでいて懐かしさを感じさせてくれる世界観は珍しい。子どもの頃に聞かされた民話や怪談のような不安定さと、現代的な表現が融合している。 何より嬉しいのは、作家本人によるエッセイが付されていることですね。自分の作品をどのように考え、どんな意図で創作したのか。そうした思いをじかに読むことができるというのは、この年代になると本当に貴重です。話題の作家の秘密にアクセスできる感覚。読後も思い出しては考え込んでしまう、そういう深さがあります。

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