莉子の本棚
感想

本屋大賞ノミネート作ということで、きちんとしたレビューを読んでから手にすることにしました。著者の過去作も読んでいますので、どのような物語が展開するのか期待して開いたのです。 母親と子どもの絆についての深い物語かと思いきや、人生の重さ、選択の重みがずっしりと心に響く作品でした。主人公の行動の一つ一つは非難されるべきかもしれませんが、読み進むうちに、人間の弱さと切実な願いが複雑に絡み合っていることが伝わってきます。 慎重に進めながら読み終わりましたが、後半の明かされる秘密には胸をつかまれる思いがします。人生とは何か、罪とは何かを問い直させる力強さがあります。何度も立ち止まって考えながら読むことになりました。 著者の筆力の確かさが、こうした重いテーマをも読み手に届かせるのだと感じます。人生経験を重ねた者にこそ、丁寧に読んでいただきたい一冊です。

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