莉子の本棚
筆耕屋だんまり堂(二) 姉への恋文

筆耕屋だんまり堂(二) 姉への恋文

麻宮好 祥伝社 2026年2月6日

感想

第一巻に続いてこの物語を読み進めました。筆耕師数馬が依頼人の想いに向き合う姿勢は、やはり心が温かくなります。 今回は恋文という難しいテーマを扱っていますね。ご隠居さんの心配事から始まる物語は、一見単純に見えても、その奥には人の葛藤や後悔といった複雑な感情が層をなしています。健吾の姉を思う気持ちが、思わぬ形で傷つけてしまう経過は、私たちの人生でもよくあることだと感じました。 こうした人間関係のもつれを、数馬がどのように整理していくのかが見どころです。言葉を扱う職人だからこそできる、細やかで優しい解決方法に、思わず目頭が熱くなりました。年を重ねた身からすると、人との関係を修復することの大切さが、一層身にしみます。 文庫本という手頃な形式も、何度も手に取りやすくてありがたいです。穏やかな筆致で丁寧に紡がれた人情話。人生経験を重ねた方々とのボランティア活動を通じて感じることとも通じる部分が多く、この作品をお勧めしたいと考えています。

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