莉子の本棚
三河雑兵心得(18)退き口仁義

三河雑兵心得(18)退き口仁義

井原忠政 双葉社 2026年6月10日

感想

この本を手に取ったのは、シリーズを通して読み続けてきたからなのですが、第18巻にして物語が一層深くなっていることに驚きました。 関ヶ原の戦いという歴史的な大転機の中で、一介の雑兵・茂兵衛がどのように生き抜いていくのかが、このシリーズの醍醐味です。小早川秀秋の寝返りという大きな出来事の後、彼がどのような試練に直面するのか。戦場での激しい攻防だけでなく、その後の政治的な交渉事まで肩に背負うという、雑兵とは思えぬ重い責任の描写が、とても説得力がありました。 70代になった私にとって、こうした歴史冒険小説は時間がある時の良い相棒です。著者の時代考証も丁寧で、歴史を学びながら物語を楽しめるというのが何より嬉しい。ただ、このシリーズはもう長く続いているので、巻を重ねるごとに登場人物を整理するのに少し手間がかかるのは、素直に申し上げておきたいところです。それでも、懸命に生きる茂兵衛の姿勢には、いつも励まされます。

ブクログからブクマへ
かんたん引っ越し

読書記録や感想をそのまま移行。
数分の準備で、ブクログの本棚をブクマへ。

詳しく見る
ブクログからブクマへの引っ越しイメージ