莉子の本棚
感想

長い長いシリーズの最終巻に到達しました。チボー家の人々との付き合いは、本当に長かったのです。若い頃から断続的に読んできた作品ですから、登場人物たちが自分の人生とともに歩んでくれた気がします。 この第十二巻では、これまで積み重ねられてきた複雑な関係性が、静かに、しかし深く収束していく様子が描かれています。ロジェ・マルタン・デュ・ガールの筆致は相変わらず繊細で、人物たちの内面的な変化を丁寧に追っていきます。長編だからこそ成し遂げられる、人生の全体像を俯瞰するような視点が素晴らしい。 新書判というコンパクトなフォーマットも、今の私には有難いです。重くない手触りで、一冊一冊と進められる気軽さがあります。ただし内容の深さは変わりませんから、何度か読み返しながら、各人物の運命を噛み締める必要があります。 長編小説を最後まで読み切ることの充足感。時間をかけて向き合ってきた作品だからこそ、この終わり方には心から納得できます。

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