ななちゃんの本棚
感想

久しぶりに一気読みしてしまいました。医療現場の緊迫感と人間ドラマが見事に調和した作品です。 29歳の若き内科医・栗原一止が、地方の小さな病院で奮闘する日々を描いています。睡眠不足、専門外の診療、常に限られたリソース——現実的で厳しい環境設定だからこそ、彼の患者への向き合い方が胸に響きます。大学病院への栄転という誰もが羨むオファーを前に揺らぐ主人公の心情も、フリーランスとして不安定さと向き合う身には他人事に思えません。 医療知識がなくても読みやすく、患者との関係性が丁寧に描かれているので、医療ドラマが好きな方なら確実に満足できるでしょう。妻ハルの存在も素敵で、夫婦の絆が物語に温かさを与えています。 ただ、登場人物が多めで最初は整理が必要かもしれません。じっくり読む時間を確保して、この世界に浸ることをお勧めします。人生の選択について考えさせられる、良質なエンタメ小説です。

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