そうたの本棚
さよならジャバウォック

さよならジャバウォック

伊坂幸太郎 双葉社 2025年10月22日

DOMPurify的に「汚れを落とす」みたいなストーリー展開だと思いました。正直、デビュー25周年の渾身の一作というコピーを読んで期待値が上がりすぎていたのかもしれませんが、こっちの予想を軽々と超えてくるパワーがある。 主人公の絶望的な状況から始まるんだけど、現れた謎めいた後輩キャラクターとの関係性の作られ方が秀逸ですね。二転三転する展開で、どこまでが事実で、どこからが仕掛けなのか、読んでいて頭がクリアになる感覚を覚えました。エンジニアとして「アルゴリズム的な構成の美しさ」みたいなものを感じる場面も多くて、単なるサスペンスではなく、物語として設計された緻密さがある。 家庭内暴力という重いテーマを扱いながらも、冷徹さとユーモアのバランスがいい。読み始めたら一気読み必至です。ストレスを感じつつも、最後のページを閉じたときの達成感は格別でした。39にして新しい興奮を与えてくれた作品。オススメ。