そうたの本棚
別冊ダ・ヴィンチ 有栖川有栖のミステリな世界

別冊ダ・ヴィンチ 有栖川有栖のミステリな世界

有栖川 有栖 KADOKAWA 2026年3月23日

感想

有栖川有栖のファンなら買って損はないんじゃないかな、というのが率直な感想です。火村英生や江神二郎といった彼の作品に登場する探偵たちについて、作者自身がどう思っているのかを知れるロングインタビューは興味深い。書き下ろし短編も含まれているし、書斎紹介なんかは、執筆環境を知ることで作品がより深く読めるようになるかもしれません。 ただ、既に有栖川作品をたくさん読んでいる人間にとっては、対談や特集記事の再録が多いせいか、特に新鮮な驚きはありませんでした。本編の小説というより、著者論や評論が中心なので、もう一段階踏み込んだ創作秘話を期待していた自分としては、やや物足りなかった部分も。 エンジニアの仕事の息抜きに気軽に読む分には、ちょうどいい分量だし、好きな作家について知識を深められるという点では悪くない。ただ、これまで以上にハマるきっかけになるかというと、微妙なところですね。有栖川本人のファンには手に取る価値ありです。