欲望の裏 警視庁追跡捜査係

欲望の裏 警視庁追跡捜査係

堂場 瞬一

出版社:角川春樹事務所 出版年月日:2026/01/15

角川春樹事務所 | 2026/01/15

4.50
本棚登録:4人

みんなの感想

警視庁追跡捜査係シリーズの最新作。五年前の未解決事件という設定から、すでに引き込まれました。身元不詳の被害者、失踪した容疑者、空白のUSBメモリ——最小限の手掛かりから事件の真相へと迫る捜査の過程が、見事に構成されています。 沖田と西川という二人の刑事の息の合った連携、緻密な推理、そして時間軸を揺さぶる展開が心地よい。著者の得意とする警察小説の手法がここでも冴えており、実在する八王子という舞台設定も信憑性を高めています。 執念深い捜査の先に見えてくる真犯人の動機——その部分で「欲望の裏」というタイトルの意味が腑に落ちます。何げない日常生活の中に潜む人間の本性について考えさせられました。 既に十四作目とのことですが、シリーズとして完成度を保ち続けているのは素晴らしい。息の長い人気作には理由がある。このシリーズをまだ読んでいない方には、ぜひお勧めしたい一冊です。警察小説ファンなら必読でしょう。

警視庁追跡捜査係シリーズの最新作。五年前の未解決事件を追う二人の刑事の執念が、ページをめくる手を止めさせません。 顔と指紋が潰された被害者、失踪した容疑者、空のUSBメモリ—これだけの手掛かりから事件の全貌を明かしていく過程は見事としか言いようがない。沖田と西川のコンビが、小さな痕跡を積み重ねて真実に辿り着く様は、教室で生徒に事実と論理の大切さを説く身としても深く頷かされました。 何より素晴らしいのは、登場人物たちがみな人間らしいということです。警察小説ともすれば描写が単調になりがちですが、この作品は捜査の緊迫感と同時に、刑事たちの葛藤や家族との関係も丁寧に織り交ぜている。だからこそ、事件解決への道のりに引き込まれるのだと思います。 シリーズ十四弾とのことですが、一冊でも十分に堪能できます。ただし、続きが気になって他の巻にも手を伸ばしてしまうこと必至。話題の作品として聞き及んでいましたが、期待以上の面白さでした。