さよならジャバウォック

さよならジャバウォック

伊坂幸太郎

出版社:双葉社 出版年月日:2025/10/22

双葉社 | 2025/10/22

5.00
本棚登録:5人

みんなの感想

DOMPurify的に「汚れを落とす」みたいなストーリー展開だと思いました。正直、デビュー25周年の渾身の一作というコピーを読んで期待値が上がりすぎていたのかもしれませんが、こっちの予想を軽々と超えてくるパワーがある。 主人公の絶望的な状況から始まるんだけど、現れた謎めいた後輩キャラクターとの関係性の作られ方が秀逸ですね。二転三転する展開で、どこまでが事実で、どこからが仕掛けなのか、読んでいて頭がクリアになる感覚を覚えました。エンジニアとして「アルゴリズム的な構成の美しさ」みたいなものを感じる場面も多くて、単なるサスペンスではなく、物語として設計された緻密さがある。 家庭内暴力という重いテーマを扱いながらも、冷徹さとユーモアのバランスがいい。読み始めたら一気読み必至です。ストレスを感じつつも、最後のページを閉じたときの達成感は格別でした。39にして新しい興奮を与えてくれた作品。オススメ。

仕事帰りの電車の中で一気読みしてしまいました。こういう「えっ、どうなるの?」という引き込まれ方が大好きです。 夫からのDVに苦しむ主人公・量子が、追い詰められた状況から突然現れた大学時代の後輩に救われる—という設定だけで既に興味深いのに、そこからのストーリー展開の巧さったら!謎解きミステリーとしての完成度も高いし、人間関係の複雑さも丁寧に描かれていて、単なるサスペンスじゃないんですよね。 エンジニアとしての視点から見ても、論理的な思考の流れがしっかりしているのが気持ちいい。登場人物たちの動機や選択肢が「あ、そっか、そう来たか」という納得感を伴って展開していきます。 何より印象的だったのは、絶望的な状況にある主人公が、完全には希望を失わない強さを持ってること。決して明るい話ではないのに、読了後は妙に前向きな気分になりました。デビュー25周年の記念作品ということも納得の、本当に良く練られた一冊。仕事で疲れてるときも、こういう傑作に出会えるから読書って止められません。