仕事帰りの電車の中で一気読みしてしまいました。こういう「えっ、どうなるの?」という引き込まれ方が大好きです。 夫からのDVに苦しむ主人公・量子が、追い詰められた状況から突然現れた大学時代の後輩に救われる—という設定だけで既に興味深いのに、そこからのストーリー展開の巧さったら!謎解きミステリーとしての完成度も高いし、人間関係の複雑さも丁寧に描かれていて、単なるサスペンスじゃないんですよね。 エンジニアとしての視点から見ても、論理的な思考の流れがしっかりしているのが気持ちいい。登場人物たちの動機や選択肢が「あ、そっか、そう来たか」という納得感を伴って展開していきます。 何より印象的だったのは、絶望的な状況にある主人公が、完全には希望を失わない強さを持ってること。決して明るい話ではないのに、読了後は妙に前向きな気分になりました。デビュー25周年の記念作品ということも納得の、本当に良く練られた一冊。仕事で疲れてるときも、こういう傑作に出会えるから読書って止められません。