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感想

これまで多くのミステリーを読んできましたが、この作品はそれらの中でも特に心に残りました。31年前の未解決事件と、ひとりの男性が発見した謎のテープとノート。その繋がりを追っていく緊張感は見事です。 何より感心したのは、単なるトリック探しの小説ではなく、家族の秘密、時間の重みといった深いテーマが織り込まれていることです。物語が進むにつれて、登場人物たちが抱え込んできた苦しみや葛藤が徐々に明かされていく構成は、本当に丁寧だと思いました。 最初は事件の謎解きがメインだと予想していたのですが、読み進むうちに「逃げ続けることが、人生だった」というコピーの意味がじわじわと響いてきました。人生経験が増した年代だからこそ、その重みをより深く感じられるのかもしれません。 最後まで気を抜けない展開でありながら、終わり方には人間の優しさがあります。長編ですが、引き込まれてしまい、ついつい徹夜してしまいました。話題になっているのも納得の傑作です。慎重に本を選ぶ方にも、ぜひ手に取っていただきたい。

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