罪の声
出版社:講談社
出版年月日:2016/08/03
講談社 | 2016/08/03
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みんなの感想
話題の作品だったので、期待して手に取ってみました。 本作は31年前の未解決事件を軸に、父の遺品から事件との結びつきを発見した主人公と、事件を追う新聞記者の視点で物語が進みます。ミステリーとしての構成はしっかりしており、真実へと迫る過程は確かに引き込まれます。 ただ、読み終わってみると、なんとも消化し切れない印象が残りました。事件の真相や登場人物たちの背景は描かれるのですが、それが自分の心に深く響くものがあるかというと、正直なところ「可もなく不可もなく」という感じです。テーマとしての「家族」や「時効」といった重いテーマを扱いながらも、感情的な深さに欠ける気がしました。 もちろん、構成力や取材に基づいた緻密さは評価に値します。週刊文春のベストにもなったわけですから、多くの読者が満足したのでしょう。ただ個人的には、長編を読むだけのカタルシスを得られなかったというのが正直な感想です。話題の作品として読む価値はありますが、傑作と呼ぶかどうかは読者によるところが大きいと思います。