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ちぎれ雲(五)

ちぎれ雲(五)

富樫倫太郎 中央公論新社 2026年1月22日

感想

本シリーズも五巻目に入り、いよいよ物語も大詰めという感じがします。今回も慎重に他のレビューを読んでから手に取ったのですが、正解でした。 麗門愛之助が鈴鹿峠での激戦を経て、ついに京の都へ舞台を移すというのは、ストーリーの運びとしてなかなかいい。前巻までの積み重ねが活きている形です。盗賊・獅子丸との決着を見守った読者としては、次なる敵が朧気ながら見えてきたことに興味を惹かれます。 公家、潜伏キリシタン、薩摩藩という複雑に絡み合う勢力図。これらが煬帝の野心と結びつくという設定は、江戸期の歴史ものとしては説得力がある。愛之助がこうした大きな渦の中でどう動くのか、その秘剣の活躍が大いに気になります。 ただ、登場人物が増えてきたせいか、時折誰が誰だったかと確認したくなる場面もありました。長編小説の宿命かもしれませんが。それでも続きが読みたくなる力はしっかりあります。このシリーズ、次巻も購入することにします。

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