ちぎれ雲(五)

ちぎれ雲(五)

富樫倫太郎

出版社:中央公論新社 出版年月日:2026/01/22

中央公論新社 | 2026/01/22

4.50
本棚登録:3人

みんなの感想

感想

本シリーズも五巻目に入り、いよいよ物語も大詰めという感じがします。今回も慎重に他のレビューを読んでから手に取ったのですが、正解でした。 麗門愛之助が鈴鹿峠での激戦を経て、ついに京の都へ舞台を移すというのは、ストーリーの運びとしてなかなかいい。前巻までの積み重ねが活きている形です。盗賊・獅子丸との決着を見守った読者としては、次なる敵が朧気ながら見えてきたことに興味を惹かれます。 公家、潜伏キリシタン、薩摩藩という複雑に絡み合う勢力図。これらが煬帝の野心と結びつくという設定は、江戸期の歴史ものとしては説得力がある。愛之助がこうした大きな渦の中でどう動くのか、その秘剣の活躍が大いに気になります。 ただ、登場人物が増えてきたせいか、時折誰が誰だったかと確認したくなる場面もありました。長編小説の宿命かもしれませんが。それでも続きが読みたくなる力はしっかりあります。このシリーズ、次巻も購入することにします。

感想

シリーズ第五巻にして、ようやく物語が京都へと舞台を移しました。それまでの道中での戦いで満身創痍だったはずなのに、愛之助の秘剣はますます冴え渡っていく。そのギャップが本当に素敵です。 今巻の面白さは何といっても、登場人物たちの思惑が複雑に絡み合っているところ。公家、潜伏キリシタン、薩摩藩などなど、異なる立場の者たちがそれぞれの野望を抱えて煬帝をめぐって動いている。謎の美女・朱雀の正体も気になるし、その導きの意図も不明。読むたびに「え、そっち!?」という展開が待っていて、一気読みしてしまいました。 冒頭の大事件も衝撃的でしたし、次々と明かされる秘密。知識がなくても楽しめるのに、歴史の奥深さも感じられる。気軽に読める娯楽小説として完成度が高いなあと改めて思います。続きが気になってたまりません。早く次巻が読みたい!

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