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感想

出版社の推薦文に惹かれて手にとった一冊だが、期待値を大きく上回る傑作だった。ベルリンの刑事弁護士エーファが関わった九つの事件を描く連作短編で、一見すると法廷ミステリなのだが、事件が「解決した後」から物語が始まるという発想が秀逸だ。 フリーランスの身であれば特にそうだが、ビジネスの世界でも人間関係でも、表面的な決着と真実は往々にしてズレている。その危うさと複雑さを、このミステリは実に上手く表現している。各短編は起承転結が明確で読みやすいのに、掘り下げたら実に奥深い。真犯人は誰か、ではなく、人間の業や葛藤にどう向き合うかが問われている。 何よりも驚いたのは、連作としての統一感だ。エーファというキャラクターが章を重ねるごとに立体化していき、読み手は彼女と共に事件の本質を見つめさせられる。新人作家とは思えない完成度で、一気読み必至。慎重に本を選ぶ方にも自信を持ってお薦めできる一冊である。

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