ゆーきの本棚
どうすればよかったか?

どうすればよかったか?

藤野 知明 文藝春秋 2026年1月29日

感想

このごろ話題の本だというので手に取ってみました。映画化もされたというこの作品、実に深い内容だと感じます。 医学部に進むほど優秀だった姉妹が統合失調症に直面するという、あまり表に出ない家族の葛藤が描かれています。医師である両親の判断、そしてその対応に対する疑問。弟である著者がカメラを向け続けた20年という長い歳月の中で何が起こったのか。 八十路の身としても、親の世代が直面する医療と家族の問題は他人事ではありません。本人も家族も、どうすればよかったのか、その問いかけの前に立たされるような重さがあります。映画に入れられなかったという家族の事実も含め、著者が勇気を持って記した言葉一つ一つが胸に響きます。 現代社会の中で、精神疾患とどう向き合うべきか。多くの人に読んでもらいたい、そして考えてほしい作品です。人生経験の長さが少しは役に立つかもしれない、そんな気持ちで読み終えました。