智子の本棚
おまあ推理帖

おまあ推理帖

諸田 玲子 文藝春秋 2026年1月9日

感想

アガサ・クリスティーの没後50年企画として江戸の浅草にミス・マープルを転生させるなんて、なんという洒落た試み!話題になっているのを見かけて即座に手に取りました。 江戸情緒あふれる浅草を舞台に、おまあという愛らしいおばあちゃんが次々と事件を解いていく。丸顔で黒目がちな目、いつもニコニコという風貌だけで既に魅力的なのに、その裏に隠された人間洞察の深さが本当に素敵です。一見ぼんやりした隠居暮らしをしているのに、村の女たちが自然と相談を持ち込んでくるあたり、原型のマープル的な存在の本質をちゃんと捉えている。 諸田玲子さんの筆致が冴えていて、江戸という時代背景の中で怪文書事件など、当時だからこその人間ドラマが浮き彫りになります。短編集という構成も、それぞれの事件にちょうど良い緊張感と解き明かされる快感がある。 時代小説の奥行きとミステリーの面白さが両立した、大人の女性にこそ読んでほしい一冊。自営業で忙しい日々の中でも、短編だからさっと読める点もありがたい。

ブクログからブクマへ
かんたん引っ越し

読書記録や感想をそのまま移行。
数分の準備で、ブクログの本棚をブクマへ。

詳しく見る
ブクログからブクマへの引っ越しイメージ