智子の本棚
感想

話題になっていたので手に取った一冊。予想以上の完成度に驚きました。 高校生アメフト選手の「アリ」を通じて描かれる青春の不安定さ、もどかしさが、これほどまでに生々しく響くとは。引退後の空白感、自分の無力さへの葛藤——誰もが経験したことのある感覚だけど、著者はそこにしっかりと光を当てている。 自営業の身として感じるのは、人生のどの段階でも「何かにぶつかる」ことの大切さです。このテーマは本当に今の時代に必要。SNSで完結する人間関係が増える中で、実際にぶつかり、傷つき、乗り越える過程の価値を改めて考えさせられました。 描写が丁寧で、アメフト部の空気感も迫力があります。女性作家とは思えないほどスポーツ部の内側が鮮烈。エッセイのような深さと小説としての構成力が融合した、非常にバランスの取れた作品だと思います。 自分の人生について立ち止まって考えたい時期の人には、特におすすめしたい一冊。著者の初小説がこのレベルなら、次作も期待大です。

ブクログからブクマへ
かんたん引っ越し

読書記録や感想をそのまま移行。
数分の準備で、ブクログの本棚をブクマへ。

詳しく見る
ブクログからブクマへの引っ越しイメージ