れんの本棚
出版禁止

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長江 俊和 新潮社 2017年3月1日

話題になっていたこの作品、ようやく手に取ってみました。正直なところ、ここまで仕掛けが秀逸だとは思いませんでした。 物語は一冊の禁書という設定から始まります。ドキュメンタリー作家の心中事件に関する原稿なのですが、読み進めるうちに次々と謎が浮かび上がってくる。著者の長江俊和氏は、どんどん読者を迷路へ導いていくんですね。不倫、死、そして生還者への独占インタビュー—これらの要素がどう結びつくのか、最後まで予測がつきませんでした。 特に印象的だったのは、中盤以降の急展開です。あの場面で「ああ、そういうことか」と一気に視点が転換される感覚。ミステリとしての完成度の高さを感じます。仕事で疲れた日の夜更かしも忘れて、一気読みしてしまいました。 ただ、終盤の真実の描き方については、人によって評価が分かれるかもしれません。僕自身は納得できましたが、もう少し丁寧な説明があってもいいかなという気もします。それでも、これだけの構成力とストーリーテリングを持つ作品は滅多にない。話題作として読む価値は十分あります。