出版禁止

出版禁止

長江 俊和

出版社:新潮社 出版年月日:2017/03/01

新潮社 | 2017/03/01

4.33
本棚登録:3人

みんなの感想

話題になっていたこの作品、ようやく手に取ってみました。正直なところ、ここまで仕掛けが秀逸だとは思いませんでした。 物語は一冊の禁書という設定から始まります。ドキュメンタリー作家の心中事件に関する原稿なのですが、読み進めるうちに次々と謎が浮かび上がってくる。著者の長江俊和氏は、どんどん読者を迷路へ導いていくんですね。不倫、死、そして生還者への独占インタビュー—これらの要素がどう結びつくのか、最後まで予測がつきませんでした。 特に印象的だったのは、中盤以降の急展開です。あの場面で「ああ、そういうことか」と一気に視点が転換される感覚。ミステリとしての完成度の高さを感じます。仕事で疲れた日の夜更かしも忘れて、一気読みしてしまいました。 ただ、終盤の真実の描き方については、人によって評価が分かれるかもしれません。僕自身は納得できましたが、もう少し丁寧な説明があってもいいかなという気もします。それでも、これだけの構成力とストーリーテリングを持つ作品は滅多にない。話題作として読む価値は十分あります。

話題の「出版禁止」、ようやく読み終わりました!これは本当に面白い。 呪われた原稿という設定だけで既に惹き込まれるのに、実際に開けてみると次々と謎が立ちはだかる。心中事件、生き残った女性への独占インタビュー、隠されたビデオ映像...どれもが物語を複雑に絡み合わせていく。 特に印象的だったのは、著者が「本を読む」という行為を通じて、私たちが段々と真実から遠ざかっていくような感覚に陥るところです。登場人物たちの証言、記録されたはずの映像、すべてが信用ならなくなっていく恐怖感がたまりません。 エッセイと小説が混在したような構成も、まさに現代的。SNS時代の私たちが日常的に接する「誰が本当のことを言ってるのか分からない」という不安感を見事に作品化しています。 ラストのどんでん返しは本当に予想外でした。最後のページを読んだ時の衝撃が忘れられない。話題になってるのも納得です。多くの人に読んでほしいミステリーですね。