てつの本棚
読むだけでわかる「微分」 考え方から証明、そして大学数学まで

読むだけでわかる「微分」 考え方から証明、そして大学数学まで

永野 裕之 講談社 2026年1月22日

感想

教員という職業柄、数学の教え方について常に考えているので、この本は参考になるかもしれないと手にとってみました。 入門編は確かに「読み物」として良くできていて、微分という概念がなぜ必要だったのか、歴史的背景から丁寧に説明されています。数学が苦手な人にも理解しやすい工夫が感じられます。中級編で証明に入ると、段階的な解説のおかげで論理の流れがつかみやすい。これは授業の参考になるなと思いました。 ただ、上級編になると少々駆け足になった感があって、テイラー展開やオイラーの公式まで到達するのに余裕がなくなる印象です。ボリュームとしても前半に比べて説明が簡潔になり、「読むだけで理解」という本のコンセプトが若干揺らぐ気がしました。 全体としては、微分を学び直したい社会人や、基礎を固めたい学生向けには悪くない一冊。ですが、大学レベルまで本当に「読むだけで」理解できるかというと、そこは疑問が残ります。新書という限られた枠の中での工夫は評価できますが、欲張りすぎているかなというのが正直な感想です。

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