てつの本棚
モロッコ水晶の謎

モロッコ水晶の謎

有栖川 有栖 講談社 2008年3月14日

感想

『モロッコ水晶の謎』は、講談社の国名シリーズらしく、異国情緒あふれる舞台設定がまず魅力的ですね。火村英生シリーズということで、複雑な事件の謎解きをどう進めるのか期待していたのですが、その期待をしっかり満たしてくれました。 「助教授の身代金」と「ABCキラー」の二編が収録されていますが、どちらも緻密な構成が光っています。特に後者は連続ドラマ化されているだけあって、読みやすさと推理の奥深さが両立しているところが秀逸。教員という職業柄、事件の論理的解法に思わず惹き込まれてしまいました。 一つ挙げるとすれば、モロッコという舞台をもっと活かした描写があればさらに良かったかなという気もしますが、これは贅沢な望みかもしれません。気軽に読める推理小説としても、しっかりした謎解きを求める方にも、どちらにも応えられる一冊だと思います。国名シリーズの他の作品も読んでみたくなりました。

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