てつの本棚
小児科ドクターのあんしん保育園

小児科ドクターのあんしん保育園

藤山素心 朝日新聞出版 2026年3月6日

感想

教員生活も長くなると、職場の同僚たちから子育ての話を聞く機会が増えます。特に保育園の病欠ルールについては、働く親からよく悩みを聞かされていました。「37.5度の壁」という表現に思わず苦笑いしてしまいました。 この本は、そんな現代の保育園事情を舞台にしたエッセイ小説といった趣です。主人公の保育士が、小児科医の園長がいる「あんしん保育園」という理想的な保育園で経験する日々が綴られています。ICカード連動の電子連絡帳やボディカメラを使った安全管理など、最新のテクノロジーと医学的知見が融合した保育現場の描写は興味深い。 何より良かったのは、現場の保育士と保護者の両視点から、保育園という場所を温かく描いているところです。子育ての大変さを理解しながらも、前向きなトーンで話が進んでいくので、読んでいて気持ちが良い。教育現場にいる身として、他の現場で工夫されていることを学べるのも収穫でした。完全な解決策ではなく、「こんな試みもあるんだ」という発見の連続。気軽に楽しめて、考えさせられる一冊です。

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