和子の本棚
次郎物語(第4部)

次郎物語(第4部)

下村湖人 偕成社 1980年9月1日

感想

新聞の書評欄で話題になっていた『次郎物語』第4部を、ようやく手に取りました。新書という気軽に読める形式だったのも決め手です。 この部では、次郎という人物がどのように人生と向き合い、成長していくのかが描かれていますが、その過程がこんなに深く、そして温かいものだったとは。著者の視点が本当に丁寧で、登場人物たちの心情の揺らぎまでが伝わってくるようです。 年を重ねると、文学作品を読むときに求めるものが変わるのだと実感しました。若い頃は物語の展開ばかり気になっていたのに、今は人物の内面的な葛藤や決断の瞬間に深く共感できるようになったのでしょう。この第4部は、そうした成熟した読み方を存分に味わえる作品です。 長編の最後の部で、ようやく全体像が見えてくる。そんな充足感を感じました。むしろここからが本番という気さえします。次のシリーズも気になってしまい、今後の楽しみが増えました。

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