和子の本棚
感想

話題になっていたので手に取ってみました。東日本大震災という重いテーマを扱いながらも、杉の木の上からの「想像ラジオ」という独特な設定は新しい視点だなと感じます。 ただ、正直なところ、作品全体としては期待値と実際のギャップがありました。生者と死者の関係を描くという高い理想は理解できるのですが、その表現方法が私にはやや難しく、何度か読み返す場面もありました。著者の想いが詰まっていることは伝わってくるのですが、読み手として完全に心を掴まれたかというと、そこまでには至りませんでした。 もちろん、独特の世界観や表現に惹かれる読者も多いでしょう。震災という社会的な出来事と個人的な物語の結びつけ方も、真摯に向き合おうとする姿勢が感じられます。文庫本という手軽な形式も良いですね。 人気の作品ということで気になっていたのですが、こうした作品だからこそ、自分の心にどれだけ響くかは読む人次第なのだと改めて思いました。話題作を追うのも大切ですが、すべてが万人向けではないということでしょうか。